近頃CMやニュースでよく耳にするようになった「ブロードバンド」という言葉がありますが、皆さん何のことかご存知ですか?
一言で言うと、「広帯域高速通信ネットワーク」。
つまり、一般の電話回線など、これまで主にインターネットに接続する為に使われていたものに比べて、広い領域で大量のデータを高速に送ることができる通信回線サービスの総称です。
道路に例えて言えば、アナログ回線は1車線しかない狭い道路、ISDNは2車線の一般道路のようなものです。
ブロードバンドには種類が色々ありますが、例えば片側2〜3車線の主要道路や高速道路のようなものだと思ってください。
具体的にブロードバンドと呼ばれるサービスは、伝送速度が300〜500kbps(1秒間に送信できる情報の速度を表す単位)以上が目安とされ、CATV(ケーブルテレビ)やADSL、光ファイバーなどがあります。
大量の情報を高速で送ることができるため、ホームページを見る為に表示をじっと待つ・・・という時間を削減できるのはもちろん、テレビを見るようにインターネットで映像を見たり、音楽を聴いたりすることが可能となります。
アクセス方法による速度の比較
送信内容 |
電子
メール |
ファイル
転送 |
ホーム
ページ
(Web) |
インター
ネット
電話 |
インター
ネット
放送 |
その他 |
アクセス網 |
ナローバンド |
ブロードバンド |
電話線
(アナログ) |
電話線
(ISDN) |
電話線
(ADSL) |
同軸ケーブル |
光ファイバー
ケーブル |
電 波 |
モデム |
ISDN |
ADSL |
CATV |
FTTH |
FWA |
速 度 |
56kbps |
64 or
128kbps |
1.5〜
12Mbps |
〜10Mbps |
10〜
100Mbps |
5.5〜
156Mbps |
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※ 上記の数字は、「NTT西日本」の「ブロードバンドとは?」より引用。
※ bps=1秒間に送信される情報量の単位
kbps=約1000bps/Mbps=約1000kbps |
実際には、接続機器やサービス会社の設備等様々な条件により随分差があるので一概には言えませんが、ざっと見てもこの程度の差があります。
また、ブロードバンドサービスの多くが「常時接続」すなわち、24時間つけっぱなしでも料金が一定のものとなっているため、これまでのように電話料金を気にしてイライラしながらインターネットをしなくても良いという便利さがあります。
問題は、ブロードバンドで何が変わるの?ということですね。
簡単に言えば、リアルタイムな画像(動画)や音声などを瞬時に送れるようになるということが一番大きな特色です。
つまり、ニュース等のビデオ、アニメーション、映画、プロモーションビデオや実況中継などが、ほとんど待ち時間なしにインターネットでどんどん見ることができるようになるのです。
テレビ電話はもちろん、会議やセミナーなども、会場に集まるのと同じようにインターネットで自宅から自分の都合に合わせて参加できるようになる・・・活用の場面は様々で、一々あげると切りがありませんが、SFや手塚治虫の世界に近いイメージといえるのではないでしょうか?
そんな世界が、既に実現し始めています。
CATVについては、広島市近郊ではほぼ利用可能となっていますし、ADSLもNTTや各種のプロバイダ(接続業者)が既に広島市・呉市・福山市を中心にサービスを開始し、その速度もどんどん速いサービスが導入されています。
1年前には夢のようだった光ファイバー網が、政府の施策で2005年までに全国整備されるというのですから、在宅ワーク・在宅看護・在宅授業などを自宅で行えるようになる日はそれ程遠い未来ではなくなっているのです。
コストも、ここ1年ほどで一気に値下げになりました。
現在もっとも普及しているADSLサービスの場合、プロバイダの接続機器をレンタルすれば導入時の費用は1万円かからずに済むことが多く、月々の利用料も随分値下げになりました。
業者によって差がありますが、ADSL常時接続でも2,000円代のものが多いので、アナログやISDNで電話代&接続料金を気にしながらやるよりはずっと気楽にインターネットを楽しむことができます。
すでに一般家庭で導入しておられるところも増えてきました。
そろそろ、法人でも個人でもブロードバンドが当たり前になってきた・・・と言えるのではないでしょうか?
携帯電話があっという間に普及したように、ブロードバンドが一般に普及し、誰もが快適なインターネット生活を当たり前に過ごす時代は、もう目の前です。
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