事業経営には、日々様々なリスクがつきまといます。
リスクマネジメント(以下RM)とは、自社に悪影響を及ぼすリスクを低減させるためにその要因を特定し、資産や事業を保護するために必要な機能を、最小限のコストで運営管理するプロセスで、経営管理の手法の1つです。
目 的:企業を支える「資産・事業活動・稼動力」の保護
目 標:最低のコストで悪影響を軽減または除去すること
一般に RM=保険 というイメージが定着していますが、本当に必要なことは、事故が起きないように事前の予防策を講じておくことなのです。
ただ、一般に中小零細企業では予防措置を行うための原因究明や予防措置に割く費用と時間の捻出が困難なことが多いため、やむを得ず事故発生時の金額的な被害を最小限にするために保険に加入して済ませている・・・というのが現状です。
俗に保険屋と呼ばれる我々リスクマネージャーは、単なる保険販売ではなく、個々の事業所様の事業状況に合わせて、最適なコストと補償のバランスをご提案すべく努力を重ねています。
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T RMのサイクル |
リスクマネジメントは、以下のサイクルで繰り返し実施します
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基本方針の確立 |
どのレベルのリスクを対象とするか、基本方針を明確にします |
リスクの洗出し |
自社の企業活動に影響あるリスクをすべて列挙します
RMチェックマップを参照してください |
リスクの評価 |
洗い出されたリスクを、影響度・頻度の面から評価し、りクスの大きさを明確にします |
リスクの選別 |
リスク処理の優先度を決定します
企業の基本方針に従って判別します |
リスクの処理 |
リスクへの対処方法を決定します
回避・予防・防護(リスクコントロール)・転嫁・保有(リスクファイナンシング)等の方法があります |
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U 事業リスクの5分野 |
事業を営む上でのリスクを分類すると、以下の5分野になります。
それぞれの分野に対する主な保険商品は以下の通りです。
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分野 |
リスクの内容 |
対象 |
保険商品 |
1 |
資産 |
火災
爆発
風水害
地震 |
建物
機械設備
什器備品
商品・原材料 |
総合保険
火災保険
家財保険
地震保険 |
2 |
第三者への賠償責任 |
業務上の賠償事故 |
施設
生産物
受託・請負等
その他 |
賠償責任保険
(PL保険)
(業種別保険) |
3 |
自動車 |
対人事故
対物事故
車両事故 |
対人
対物
車両 |
自動車保険
車両保険 |
4 |
利益確保 |
休業損害
災害に伴う利益損失 |
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利益補償保険 |
5 |
人材/労務 |
労働災害
従業員のケガ・病気
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休業保障
見舞金
使用者責任 |
傷害保険
労災上乗せ保険
使用者賠償責任保険
医療保険 |
従業員の退職金対策
従業員の老後対策 |
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各種生命保険 |
経営者のケガ・病気
経営者の退職金対策
万が一の際の事業保障 |
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事業者生命保険 |
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V 自社のリスク洗出し |
事業そのものについてのリスクの概要が分かったところで、次は≪自社≫の場合のリスクを知らなければ対策のしようがありません。
- 自社の固定資産の再評価
- 業種に特有の事業リスクの把握
- 人件費・退職金対策等の状況把握 など
これは、一般の方では中々難しいことですので、それぞれのプロによるチェックを行っていただく必要があります。
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V 現在の保険状況の把握 |
次に、現在 法人及び個人でどのような保険に加入しておられるのか、
- 加入している保険の種類・内容
- 保障額(保険金額)と保険料
- 保険期間と更新時期 など
以上を再チェックして把握しておく必要があります。
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W 状況の総合診断〜最適化への対応 |
以上の準備から、自社のリスクに対して正しく、バランス良く保険が掛けられているかどうかを総合診断します。
- 資産の現状と保険金のバランスは?
- 事業リスク5分野全般から見たバランスは?
- 個々の保険内容に問題はないか?
- 自社の事業状況からみた保険料のバランスは?
等々を再確認し、まずは本来自社のRMとしての保険のあるべき姿を見据えた上で、現状どこまで最適化を図るか、ご予算と相談しながら数年かけて目標に近づけていくことになります。
また、下図にあるように、事故発生の頻度と損害(影響)の大きさから、リスクを大きく4つの領域に分類評価し、
- まずは、A領域に該当するリスクについて検討・対策する
- 次にB領域に該当するリスクを検討・対策する
というのが一般的です。
リスクの評価と手順 |
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多

少 |
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≪ B領域 ≫
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≪ C領域 ≫ |
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(自己負担すべきリスク) |
≪ A領域 ≫
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小 大 |
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ここ数年、保険も自由化の波を受けて刻々と商品が変化し、良い保険が安く提供されるようになってきました。
保険は一度入っておけば終わり・・・というものではありません。
時代の波の中で、生き物である事業の実態に合わせて常に適切なものを選択しつづけなければ、陳腐化してしまいます。
当社では、以上の保険診断サービスの簡易バージョンを無料で行っております。
ぜひ一度、ご利用ください。
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